現地白樺峠「定点調査地」からの報告を転載しています。( )内は報告者です。
定点調査風景. 定点調査風景
(2016年)
11/15
雨は夜明け前に上がり、湿った曇り空の朝を迎える。日中は小雨がぱらつくこともあったが、撤収作業を邪魔する天気ではない。荷下ろしやら、資材整理のため、調査は実施できず。作業の合間に空を見上げても、タカの姿は見つからない。14時すぎに撤収完了し、今シーズンの活動を終える。(くの)
11/14
朝からどんより曇り空。視界は良好、遠くの山まできれいに見えるが、タカは見当たらず。今年はオオマシコがなかなか現れないと思っていたら、一昨日ようやく声を聞き、今朝から急増。頻繁に声がして、調査地周辺にもよくおりる。灰色の空にも映える赤い姿にしばし手を止めつつ、降り出す前にと撤収作業を進める。14時頃から冷たい雨。雪の心配がないのはありがたい。(佐伯)
11/13
小春日和が続き、朝夕も含め過ごしやすい。しかしタカの姿はほとんどなし。午前中、メジロの近縁種が何度か調査地内に現れ、ツルマサキの実を食べて行った。サイズや体型はメジロ的だが、全身が一様な黄緑色。白いアイリングの幅が広い。声もメジロとはまるで異なる。帰宅しての同定作業が楽しみだ。(くの)11月21日に追記:この不明メジロ類は、飼い鳥として流通するアフリカヤマメジロの特徴によく合致する。(くの)
11/12
雲のほとんどない空。日中は気温が上がり過ごしやすい。タカはなかなか見つからず、見つけたタカも、気を抜くと、すぐに青空に溶けて消えてしまう。こんなコンディションでは、小鳥たちもりっぱな調査員。アオバトやカケスを見て騒ぐことも少なくないが、この時期になっと、ちゃんとタカを識別して、その接近を教えてくれる機会が多くなった。(くの)
11/11
昨夜の雨は雪に変わることなく、朝は降ったり止んだり。意外に早く晴れたが、鳥の姿は少ない。ノスリの渡りは午後、遠くで見つけたものばかり。渡らないタカもあまり見かけなかったが、クマタカたちが同時に3羽、4羽と複数で現れ、派手な動きを繰り返していた。昨日まで斜面を黄色く染めていたカラマツの葉が一気に落ちて、景色も静か。(佐伯)
11/10
夜のうちに気温はぐんぐん下がり、最低気温はマイナス10度を記録。水も野菜もみんな凍ってしまう。頼みの朝日は雲に隠れ、気温はなかなか上がらない。薪ストーブの温もりのありがたさ。午後になってうっすらとした青空が広がり、気温は4度まで上昇。ようやく暖かさを感じる。タカも小鳥も少ない中、ルリビタキたちが目立つ。ヤマウルシの実がお好みで、調査地内のあちこちで啄む姿が見られる。この秋はさまざまな木々の実が豊作で、楽しみが多い。(くの)
11/09
雨は夜半にあがる。夜中には星空が広がっていたのだが、朝には小雪が吹き付ける寒々しい天気にかわっている。雲は低く視界が悪い。午後はだんだん雲が消えていったが、北風は冷たいまま。最高気温はマイナス1度ほど。地面の霜柱が夕方までそのまま残る。タカも小鳥も動きなし。昨日までは調査地にたくさんいたルリビタキも、すっかり姿を消してしまう。(くの)
11/08
午前中は雲の多い晴天。昼過ぎからは冷たい雨が降り続く。朝のうち、イカルやツグミ類の群れが近くをつぎつぎに通過。声をともなう渡りはいいものだ。調査地のすぐ後ろの森からはクマタカの声。姿は見えないのだが、ノスリやハイタカが上空からじろじろと見下ろすので、どこにいるのか見当がつく。ここ数日、クマタカが近くに現れることが多いのは、木々の葉が散って、狩り場がかわったためか。あるいは鷹の見物人が減ったためか。(くの)
11/07
雲ひとつない青空の一日。風も弱く、日差しが暖かい。タカたちは、ぽつりぽつりと現れる。渡るのか、渡らないのかの判定に悩むことも少なくない。(くの)
11/06
夜明けは晴れていたが、まもなく霧に包まれ、次に景色が見えたのは昼過ぎの2時間ほどだけ。濃い霧に陽射しは遮られ、いつもならいちばん暖かい11時半頃の気温が2.5度。(佐伯)
11/05
朝は渡っていく小鳥の声がにぎやか。種数も多い。が、タカたちは渡りたい気分ではないのか、見たタカの種数はにぎやかだったが、遠くでようやく見つけたタカまでもがハンティングに勤しんでいた。(佐伯)
11/04
すっきり晴れるが、飛んでいるタカは渡らないものばかり。夕方、ノスリがまとまって来るのでは、と遠くのタカを探し続けたが動きなし。21km先の奥穂高岳、13km先の霞沢岳の山頂に佇む登山者がくっきり見えた。(佐伯)
11/03
天気予報はまずまずの青空を期待させるものだったが、昼過ぎまで小雪の舞う冬空。午後は青空と雲とが半々。気温は上がらず、日中もせいぜい4度ほど。日が傾くと、ぐんぐん冷えてゆき、風の冷たさが身にしみる。渡るタカは少ないが、滞在組のノスリやハイタカが頻繁に姿を現す。ノスリの幼鳥が、風に吹き上げられた木の葉を空中で見事にキャッチ!そんな遊びを繰り返していた。(くの)
11/02
早朝から霧が深く、調査スタートまでの時間をのんびり過ごす。最低気温はマイナス4度。視界が開け始めたのは9時過ぎ。調査地周りのカラマツの枝先の霧氷が、朝日を浴びて真っ白に光る。昼間も日差しの乏しい寒々しい天気。青空が広がっても、すぐにまた曇り空に戻ってしまう。北側の山々は終日、雪雲の中。タカの動きは少ない。10過ぎ、ソウシチョウ2羽が調査地内のヤマブドウの実を啄んでゆく。(くの)
11/01
夜の間は雨。降り始めた頃にテントをたたく雨音はミゾレ混じりを思わせるものだったが、朝になって見上げる山々には、やはり雪が積もっていた。日中も空気は冷たく、低い雲が解消されない。目にする渡り鳥は多くないが、ツグミやマヒワの群れに、晩秋の気配を感じる。(くの)
10/31
早朝は雲がほとんどない青空だったが、だんだん雲が増え、昼過ぎにはすっかり曇る。集計数は少ないながら、低く、近くを飛ぶタカが多く、満足感のある一日。今シーズンは調査地にやってくるカラ類の、タカに対する反応が鈍いとの印象が強かった。頭上を旋回するツミにも無関心なことが多々あったのだが、ここへきて警戒心が増強。我々よりも早くタカを見つけてくれるのでありがたい。仲間が襲われる光景を何度も目にしてきたのだろう。(くの)
10/30
夜が明ける頃はきれいに晴れていたのに、間もなく霧が立ち込め、10時過ぎまで、ひどい視界不良。その後は青空がゆっくり展開。午後遅くには快晴となる。13時頃からノスリの通過が続くが、東側、あるいは北側遠くを飛ぶものが大半。8倍クラスの双眼鏡では何も見つからないような渡りを、双眼スコープで、調査終了直前までせっせと数える。ウミネコ、セグロカモメ、ミヤマガラス、チュウ匕の記録がうれしい。(くの)
10/29
低い雲が多く、周囲の山々は隠されたままに一日が過ぎて行く。すっきり晴れたのは昼前後の短時間のみ。午後は早々に霧につつまれてしまう。朝の気温は高かったが、北風が強く、時間とともに寒さが増す。午前中、霧の中から突然現れるタカを記録。遠いタカが見えないコンディションなので肉眼が頼り。(くの)
10/28
朝からどんよりとした曇り空。昼前には小雨が降り始め、午後は本降りが続く。早朝はアトリ類やホオジロ類の通過が見られたが、その後は、渡りの気配、ほとんどなし。(くの)
10/27
4時過ぎにはきれいな星空だったのに、明け方から深い霧。ようやく青空が見えてきたのは8時半過ぎ。ぽつぽつと飛ぶタカを数えてのんびり過ごす。14時過ぎ、青空の中の点のようなノスリたちを見つけてから、高いノスリの流れが続き、30分ほどの間に120羽を数える。肉眼では見つからないような高さのものが多く、真上に来ても見失ってしまうほど。こんな日は見落としも多そう。(佐伯)
10/26
妙な暖かさで朝を迎える。日中はよく晴れて、さらに気温が上昇。季節外れの陽気となる。この天気では渡りの衝動も弱まるようで、目に入るタカは、きょろきょろと獲物を探すものばかり。しばしば現れるハイタカは、その度に個体が異なる。この山にたくさん滞在しているようだ。(くの)
10/25
快晴のまま夜は明けたが、朝のうちに曇ってしまい、雲は時間とともに低く厚くたれこめる。昼前には小雨が降り始め、午後は本降りが続く。南風が生暖かい。視界の悪い中を渡る、いくつかのタカを記録。(くの)
10/24
最低気温は0度。早朝まで低い雲が残ったが、9時には快晴の空となる。11時頃から調査終了間際までノスリの通過が続く。13時過ぎが一番の忙しさ。それ以外の時間帯は、一羽一羽をじっくり見られるペース。近くを飛ぶものが多いので気分がよい。ただし、夕方に向けて気温は急降下。風が弱いのでさほど辛くはなかったが、17時の気温は3度ほど。(くの)
10/23
霧に包まれたまま一日が終了。アトリの群れが調査地脇に立つダケカンバの種を食べに来るのだが、そんな近距離の鳥すら霧にかすんでしまう。午後は気温が下がり、霧の粒子は大きさを増し、機材のあれこれを濡らしてしまう。(くの)
10/22
雲が多く日差しの乏しい天気だが、寒くはない。今日もツミを数えるのが主な作業。ハイタカの姿も目立つようになり、秋が深まりつつあることを実感する。昨日まではほとんど見かけなかったヒバリの群れが、つぎつぎに通過してゆく。ほかの小鳥は早朝に多く見られる傾向が強いが、ヒバリは日中に渡るものも少なくない。(くの)
10/21
早朝は霧。日中も雲が多く、気温のわりに寒々しい天気。10時すぎから15時近くまで、ツミがひっきりなしに通過。年齢、性別、「そのう」の膨らみなど、一羽一羽の識別作業に忙しい。調査地の周りの風景は黄色が主体。目に眩しい風景だ。(くの)
10/20
雲のほとんどない青空の一日。朝夕の冷え込みは弱い。タカはなかなか見つからないが、不意に現れるのはノスリ10羽ほどの高密度集団。追い風に乗って、あっという間に通過してしまうので、のんびりできない。アオバトの群れの様子がいつもと違う。通常は2羽ないし5羽程度の小群が南、あるいは北方向に飛ぶのだが、今日は10羽から最大26羽の群れが、東方向へと次々に通過していった。個体間の距離が近く、飛翔速度は速い。今後もアオバトの動きに注目したい。(くの)
10/19
最低気温は9度。10月後半とは思えない暖かさだ。日中はさらに気温が上昇、日向で過ごすのが辛いほどの陽気となる。そのためかタカたちの動きはごくわずか。11時前にヒシクイとおぼしきガン類8羽の群れが通過。当地でのガンの渡り記録は、これまで、ごくわずかしかないのだが、興味深いことにその群れをイヌワシペアが追撃。はばたきをくりかえして、ぐんぐん群れに迫ったが、そのまま木立の向こうへと消えてしまい、ことの顛末は不明。ここ数日、ノスリに襲いかかるイヌワシを何度か目撃していたが、ガンはワシたちにとって、さらに魅力的な獲物らしい。(くの)
10/18
朝のうち、霧の時間帯もあったが、青空優占の過ごしやすい一日。11時過ぎからタカたちが通過。忙しくならない程度のゆったりペースが夕方前まで続く。すぐ近くを飛ぶものもあり、気分よく数える。午後遅くになっても寒くならないのはありがたい。気温が高い中でも木々の紅葉がどんどん進み、朝と夕方とで風景がずいぶん違う。(くの)
10/17
夜中に降り出した雨は9時頃に止み、霧が消えると向かいの斜面に黄色が目立つ。昨日まで色あせた緑の山で、紅葉が進まないねと話したばかりなのに。午後は再び、降ったり止んだり霧に包まれたり。(佐伯)
10/16
早朝の気温は2度。日の出とともに気温は上がり、日中は暖か。雲の少ない好天に恵まれ、午後の冷え込みも弱い。タカの通過は散発的で、たいくつな時間が長い。アトリ類の顔ぶれがそろいつつある。彼らの声を聞くと秋の深まりを感じる。今日はマヒワとシメを初認。アトリ、イカルの群れも賑やか。(くの)
10/15
今朝もうっすらと霜のおりる冷え込み。雲がほとんどない青空の一日。肉眼で高く飛ぶタカを見つけるのが難しい空なので、双眼鏡を覗き続けるのだが、それでも何も見つからない時間が長い。ぽかぽか陽気の中、集中力は途切れがち。数の割りに種数はまずまず。いつもはびゅんびゅんと通りすぎてしまうコチョウゲンボウが、今日は何度か旋回してくれた。(くの)
10/14
最低気温は0度。初霜を観測する。朝のうちは雲が多かったが、青空がだんだん広がり、夕方前には快晴となる。9時すぎからノスリの通過が始まる。16時前まで小群が間をおいて出現。何も飛ばない時間が長く、タカを探すエネルギーをいつになく消費する。朝夕の冷え込みは例年並みとなりつつあるが、山々の紅葉は地味なまま。色づかないうちに葉が散り去ってしまった樹も少なくない。(くの)
10/13
朝のうちは明るい曇天。9時頃から青空が広がり、日中は過ごしやすい。今日も午前中はツミ、午後はノスリなどをせっせと数える。タカたちの通過は調査終了直前まで続く。その頃の気温は6度ほど。寒さに耐えながらのカウント。(くの)
10/12
やや雲が多いが、まずまずの晴天。通過するタカはぽつりぽつり。しかも高く、遠くを飛ぶものばかり。何も見つからない時間も長い。渡りを見た、との実感がないまま一日を終えるが、集計してみるとけっこうな数。(くの)
10/11
今日も早朝は深い霧。視界が回復した後も谷には雲海が残る。昼過ぎまでは穏やかな晴天。後に明るい曇り空。ノスリの大半は13時以後に記録。東側遠方を通過するものが多かった。(くの)
10/10
早朝は霧が深く、なかなか調査をスタートできない。日中は穏やかな晴天に恵まれ、秋の日差しを楽しむ。午前中は次々に現れるツミのカウントに忙しい。昼すぎは少々退屈だったが、14時からの2時間ほど、ノスリたちの絶え間ない流れを見続ける。調査地よりも低く飛ぶものが多い。谷の対岸斜面を背景に移動するものは見落としやすいので、気を抜けない時間だ。(くの)
10/09
朝のうちは雨。その後、天気はゆっくり回復し、夕方近くには青空が広がる。日中は明るい曇天だが、空を飛ぶものはほとんど見られず。日没と同時に気温は急降下。風が冷たい。(くの)
10/08
午前中は、南風に時おり小雨の混じる暗い曇天。視界も良くない中を、霧に見え隠れしながら移動するタカを、いくつか記録する。東側の空は比較的明るいので、里の方は悪いコンディションではないのかも。昼前からは雨が降り続くが、じめじめ感のない空気は澄んで揺らぎがない。スコープを使うと、500メートルほど先にとまったクマタカの表情がいつになく、くっきり見える。(くの)
10/07
最低気温は5度。ひんやりとしたこの時期らしい空気の夜明け。早朝は霧につつまれたが、日中はよく晴れて過ごしやすい。タカの通過は9時前から始まり、夕方近くまで続く。ずっとタカを見ていたのだが、青空に溶け込みそうな高いもの、双眼スコープでも見つけづらい遠いもの、山を背景に谷沿いコースを低くゆくものが多い。しかも、それらが同時進行するので、調査メンバーはバラバラの方向を向いてカウントする。そのため、タカをたくさん見たとの実感はない。サシバは成鳥の比率が意外なほど高かったのが印象的。(くの)
10/06
深夜に風が強まり、大きな雨粒がたたきつける時間帯があったが、嵐は長く続くことなく去ってくれた。調査地に台風による被害なし。夜明け前には秋空が広がり、清々しい一日となる。朝からタカたちがあれこれ登場。ノスリ、オオタカ、ハヤブサ、トビ、クマタカ、イヌワシなどなど。しかし、みんな渡る気配なく、ぷかぷか宙に浮かんだり、急降下したり。午後は気温が下がり、しっかり着込んで調査する。(くの)
10/05
台風18号接近中。晴れ間もあるが、気味の悪い灰色の雲が、空のそこここに浮かび、暖かく湿った南風。不穏な天気にもかかわらずノスリたちの通過が続く。嵐の前に移動したいようだ。ハリオアマツバメの群れも、頭上びゅんびゅんと通り過ぎてゆく。早朝、アトリの声を初認。(くの)
10/04
雨の心配不要の一日だが、雲は多く、日差しは弱い。昼すぎまでは、ぱらぱらペースのタカをカウント。この時期らしい、のんびり調査を楽しんでいたのだが、14時前からノスリの絶え間ない通過が始まる。高いもの、谷をゆくもの、遠いもの。目を配らねばならぬエリアが広く、気を抜けない時間が夕方まで続く。こんなに早い時期に、しかも気温は平年よりも高いのにノスリの移動が本格化。さて、この先どうなることやら。(くの)
10/03
湿っぽい曇天の下で調査スタート。早朝、ハクセキレイ、ヒヨドリ、イカルの群れをいくつか記録する。雲はだんだん厚くなり10時前に雨が降りだす。日中いっぱいしとしと雨。(くの)
10/02
朝はどんよりとした曇り空。遠くには雨を降らせる雲も見える。日中はゆっくりと青空が広がり、この時期としては異例の暑さとなる。湿度も高く不快だ。10時過ぎから、ぽつりぽつりとタカたちが通過してゆく。サシバとハチクマは幼鳥が目立つようになり、彼らのシーズン終盤が近いことを知る。ノスリとツミは着実に増加。季節外れの暑い陽気でも、鳥たちの動きに乱れはない。夕暮れ時、ヨタカとゴイサギが出発してゆく。ビール片手に彼らを見送る贅沢なひと時。(くの)
10/01
昼すぎまでは、小雨、あるいは霧。午後も雲が低く、すっきりしない天気が続く。空を飛ぶ鳥の姿はごくわずか。夕方近くに、ようやく青空が広がりはじめる。暗くなると、遠く、近く、ゴイサギの声。(くの)
09/30
早朝は快晴の秋空に谷を埋める雲海。その後、雲がだんだん増えたものの、清々しい天気に恵まれる。朝はタカの見つからない時間が長かったが、9時を過ぎるころから各種の通過が始まる。数は多くはないが、あれこれ一緒に飛んでくれるのがうれしい。今日はクマタカもしばしば登場。この時期らしい渡りを楽しむ。(くの)
09/29
朝のうちはしとしと雨。その後、天気はゆっくりと回復するが、昼過ぎまで小雨まじりの曇り空。午後も低い雲が残り、谷の深い雲海はいつまでも消えない。雨雲が去って間もない頃、いくつかのタカを見かけたが、空が明るくなっても渡り鳥の気配はほとんどなし。一方、アサギマダラは視界の悪い中でも次々に通過してゆく。(くの)
09/28
早朝は曇り空。調査道具をセットしたものの、すぐに雨となり、またまた調査は休みに。気温は高いままだが、色づいた木々の葉が急に目立つようになる。ヤマウルシの赤がひときわ鮮やか。(くの)
09/27
雲が多いながらも青空主体の天気。気温は高く、日向で長時間過ごすには気合いが必要。終日、タカの小集団が間をおいて通過してゆく。高空を移動するものが大半を占め、目を凝らさないと、空に溶けこんでしまう。ノスリとツミが増えてきた。空気に秋の涼しさはまだないが、季節の歩みを鳥たちが教えてくれる。(くの)
09/26
またまたどんより曇り空。時おり、小雨がぱらつき、霧に包まれる時間も長い。朝のうち、尾根上の梢にとまるサシバやハチクマをいくつか見かける。空が明るくなると、三々五々に出発してゆく。今日も彼らの旅は続くのだ。午後は雨の時間が増え、鳥たちの動きも少なくなってしまう。(くの)
09/25
雲に覆われる時間もあったが、久々に青空の下で過ごす。気温は高く、日向では夏の装いがちょうどよい。9時前からサシバの集団の通過が始まり、夕方まで、ほぼ絶え間なくタカをカウント。東側、あるいは北側遥か遠くを飛ぶものも多い。同時にいくつもの流れが並行したり、時に、合流したりと、タカたちの動きを予測するのが難しく、かつ楽しい。少人数ではたいへんな調査だったが、日曜に当たったのは幸い。焦るシーンもなく、気分よく空を見続ける。(くの)
09/24
今日もすっきりしない曇天。低い雲が山々にかかり続ける。8時すぎから昼すぎまでハチクマ主体の小規模な渡りが続くが、その後は低調な時間が長い。空はいよいよ暗くなり、調査終了と同時に小雨が降りはじめる。(くの)
09/23
今日も視界は悪く、時おり、小雨の降る天気。そんなコンディションの中でも、通過するタカがちらほら目にとまる。午後はいよいよ霧が深く、早々に調査終了。(くの)
09/22
早朝は暗い曇天。調査の体勢に入ったものの、すぐに雨が降り始め、調査なし。急遽、調査地内でのネズミ観察会。2種のネズミをじっくり見物し、参加者一同大満足。(くの)
09/21
台風が通過しても青天は戻らない。空には明るい部分もあるのだが、低い雲が山々にかかり続け、しばしば深い霧に閉ざされる。タカたちは低空を雲に見え隠れしながら通過してゆく。この空模様にしては動きが活発。視界がよければ、もっと記録できたであろう。(くの)
09/20
悪天候のため、調査は休み。終日、台風16号の雨雲に覆われ、昼過ぎには風も強まり大粒の雨がたたきつける。さほど影響はないと予測したが、念のため、備えは万全に。雨風は夜半にはすっかりおさまり、調査地に被害なし。(くの)
09/19
雨音が止んだと思ったら、予想外の早さで景色が見えてきて、あわてて調査開始。雨上がりもタカの動きは少ないが、アサギマダラが次々に飛んでいき、渡りの季節なのだなあと実感する。昼過ぎからは再び降ったり止んだり。(佐伯)
09/18
秋雨前線による雨の一日で、調査は休み。一時はどしゃ降り、強風の荒れ模様。視界もよくない。ちょっとした止み間に見かけたハチクマは、急降下して調査地近くの森の中へと消えていった。(くの)
09/17
青空が広がったったのは朝の短い時間のみ。すっきりしない空模様。高空を移動する一群もあったが、通常よりも低く飛ぶタカが多かった。この調査地からは見つけ辛い谷底を進むものもちらほら見受けられた。見逃した個体もあっただろう。(くの)
09/16
明るい曇天が続き、青空はほとんど見られず。タカの渡りは昨日ほど盛り上がらず。何にも見つからない時間が長い。それでもハチクマがたびたび目前を通過してくれるので気分上々。今日、いちばんの集団は16時33分の通過。夕方まで気を抜けない。(くの)
09/15
今日も早朝は霧につつまれる。日中は時おり薄日の射す明るい曇天。暑さを感じる。午後はだんだん暗い雲が増え、気温も下降。肌寒さを感じる。10時頃からハチクマの通過が続き、正午からは詳細な識別とその記録作業に忙しい状態が3時間ほと継続。その後、流れは東側に遠く離れてしまい、数のみの調査。サシバは14時以降の通過が大半。16時半で調査を終えたが、その後もサシバの小群を記録。明日は朝から動きがありそう。(くの)
09/14
早朝は霧。日中は雲が多いものの、青空の面積は期待以上。11時過ぎからサシバやハチクマの小群が次々に通過。15時頃まで、ぼほ途絶えることのないタカの流れ。まとまった大集団はなかったが、眼前を横切るものも多く、じっくり、ゆったりと渡りを楽しむ善き一日。(くの)
09/13
未明から土砂降り。いつもは夜明けと共に現れるコガラたちも、なかなか姿を見せない。昼過ぎには雨が止み、霧の隙間から景色が見えるが、渡る鳥の気配はなし。夕方まで降ったり止んだり、タカの飛ばない霧の中では常連の小鳥たちがにぎやか。(佐伯)
09/12
早朝は霧。午前中は時おり青空が顔を出す明るい曇天。午後は雲が厚く、小雨もぱらつく。10時過ぎからハチクマが1羽、また1羽と低空を通過してゆく。サシバも1羽、あるいは2羽での移動。14時以降は渡るタカの姿なし。(くの)
09/11
予報ほどの崩れはなかったが、終日、雲が多く、雨粒の落ちる時間帯もあった。今シーズン、頻繁に姿を現している雄のハチクマ君、今日は蜂の巣を足につかんで、何度も頭上を通過。調査地北側の尾根の向こうへ飛んでゆく。遅くに誕生したヒナのもとへと運んでいるのだろうか?(くの)
09/10
ほどよく秋雲の浮かぶ爽やかな晴天。朝のうち、通過するタカはほとんどなく、目に入るのは滞在組のハチクマやノスリばかり。11時すぎに、ようやくサシバの通過が始まる。群れのサイズは大きくても十数羽。タカの姿が見つからない時間も長かったが、きれいな雲を背景にサシバたちが頭上を連なって流れるシーンもあって、今シーズン初めて“数える”快感を楽しむ。サシバの大半は成鳥。この時期としてはノスリやツミが多いとの印象あり。(くの)
09/09
低い雲が終日残り、期待していた秋晴れとはならない。タカの動きは、さらに期待はずれ。渡るものより定住しているタカが目立ち、鳴きながら上空を飛び回り続けるハチクマを、早朝から夕方まで、何度も見聞きする。(くの)
09/08
雨降りの一日。止み間や、空が明るい時間もあったが、大粒の激しい雨に何度も降られる。雲は低く、見通しの悪い状態が続き調査は休み。こんな天気でも、霧に見え隠れするハチクマを何度か見かける。付近に滞在個体が複数いるようだ。雨は夕方前に上がり、青空がどんどん広がる。明日からは忙しくなるぞ。(くの)
09/07
天気予報では雨の一日とのことだったが、きれいな青空の広がる予定外の朝。その後、谷を埋めていた雲海が上昇して視界不良の時間帯もあったが、日中はまずまずの晴天。おかげで調査地の整備作業がはかどる。タカの通過は、ぽつりぽつり。単独で移動するものが多く、気を抜くと見落としそう。早朝、サンショウクイの群れが調査地内に滞在。いろんな木の実を食べて、楽しそうに過ごしていた。(くの)
09/06
昨夜からの雨が早朝まで残る。天気はゆっくり回復し、午後の空は雲と青空が半々。11時過ぎからハチクマやノスリがちらほら通過。サシバは13時以後に記録。昨日までよりも、群れの規模がやや大きくなっている。渡りシーズン、一歩前進。(くの)
09/05
早朝は低い雲が多く視界も悪かったが、青空が徐々に広がり、午前中はまずまずの晴天。午後は雲が増え、時おり小雨が降る暗い空。夕方からはしとしと雨となる。通過するタカは少ないが、この時期、この天気としては順調と言えよう。次の晴れ間は忙しくなりそうだ。(くの)
09/04
明け方は視界不良。このまま天気が崩れるのかと思っていたら、すぐに青空が広がり、暑い1日。午後は周辺のあちらこちらで雨が降っているのが見えるが、ごく狭い範囲の雨雲で、隙間をかいくぐって渡っていくタカもいる。調査地でも夕方は雨。夜中にシギの声が近づいてきて、霧のかかる闇夜をにぎやかな声だけの群れが渡っていく。調査地上空で迷走を始め、直後から降り出した雨の音にかき消されてしまったが、夢のような数分間だった。(佐伯)
09/03
日差しが厳しいが、昼間も日陰に入れば過ごしやすい。サシバは今日も1羽、あるいは小群で移動してゆく。ノスリは、うろつく個体と通過してゆく個体で、まるで雰囲気が違う。彼らの渡り開始は例年よりも早いようだ。(くの)
09/02
よく晴れて残暑がきびしい。昼前までは昨日から続くサシバの流れ。単独から数羽単位の小群がぽつりぽつりと現れるが、午後はほとんど動きなし。調査地内の低木の茂みで、カラ類が激しい警戒声の騒ぎを起こす。何事かと見にゆくと、立派なマムシが地面をうろついているではないか。当地での目撃は珍しいことではない。皆さん、ご注意を。(くの)
09/01
ほどよく雲が浮かび、過ごしやすい晴天が続く。サシバの通過はこの時期としては上々。数羽の小集団が間をおいて現れ、10時半頃から16時前まで、同じようなペースの渡りが継続。成鳥と幼鳥の構成比は、ほぼ同等だった。(くの)
08/31
台風10号の影響は特になし。朝のうちは雲が多かったが、青空優勢、午後は快晴となる。西風がやや強く、日陰は秋の涼しさ。陽が傾くと肌寒さを感じる。タカの通過は午前に多かったが、渡らないタカも頻繁に現れて、退屈な時間もなく快適に一日を過ごす。(くの)
08/28
昨日(27日)は、小雨が降ったりやんだりで、視界不良の一日。今日も湿った曇天。青空が雲間から顔をのぞかせることもあったが、昼過ぎには雨粒がぱらつく。視界も悪く、渡り日和にはほど遠いが、それでもサシバの成鳥2羽を記録できた。(くの)
08/21
白樺峠の速報開始!標高1600メートルの当地は、真夏でも気温は30度以下。今日も風が吹けば涼しい陽気だが、さすがに日向に出ていると暑い。ハチクマをはじめ、イヌワシ、クマタカ、ツミ、ノスリ、トビ、オオタカと、さまざまなタカたちが現れる。しかし、みな渡ってゆく気配なし。そんな中、昼過ぎにサシバの成鳥が1羽、颯爽と通過して行った。今月は、これまでも数日間をこの調査地で過ごているが、渡りの記録はこの個体が初めて。(くの)


バナー