現地白樺峠「定点調査地」からの報告を転載しています。( )内は報告者です。
定点調査風景. 定点調査風景
(2020年)
11/15
最低気温はマイナス2.5度。気温の割に霜が少なく、資材がカラカラに乾いている。撤収日の朝にはありがたいことだ。今日もタカの動きは少ない。冬毛のオコジョが何度か現れ、しきりにネズミ穴を出入りする。すぐ近くを飛び交うコガラやゴジュウカラにはほとんど興味がなく、何よりもネズミの匂いが気になるようだ。材木の雨よけに使っているトタン板の下からは、昨年のものと思われるミイラ化したネズミの残骸や体毛がどっさり出てくる。近くにはオコジョのフンも多数。どの程度の期間、ここで暮らしていたのかはわからないが、おびただしい数のネズミが食べられていたことにびっくり。恐ろしい獣だ。夕方、調査地からの撤収作業を完了。明日からはスーパー林道が冬の通行止めとなるため、これで速報を終了します。今年も無事に調査を継続できたことに感謝!(くの)
11/14
最低気温はマイナス3度。終日、雲がほとんどない青空。風も弱く過ごしやすい。タカも小鳥も動きはごくわずか。おかげで撤収作業がはかどる。(くの)
11/13
最低気温は0度。朝のうちは小鳥の渡りを楽しむ。オオマシコ、イスカ、ハギマシコ、ヒレンジャクなど、彩りのある小鳥がうれしい。ヒヨドリの小群もいくつか記録。この調査地から見えるヒヨドリはほんの一部。まだまだ、たくさんの個体が移動しているようだ。タカの渡りは今日も盛り上がらず。(くの)
11/12
最低気温はマイナス5.9度だが、寒気が去ったらしく明け方には気温が上がっていた。朝の小鳥の渡りはちょっとしたにぎわい。その後はタカの見つからない時間が長く、午後になるとハイタカが次々に現れる時間はあったものの、ノスリがもっと飛んできそうなものだがなあと思いながら過ごす。今日いちばんの出来事は真っ白なオコジョとの遭遇。不意にカサコソと足元近くに駆けよってきて、ネズミ穴をのぞいたり、片付けたばかりの資材を点検したり。白い冬毛に変わったオコジョが現れたのは初めて。(佐伯)
11/11
すっきりと晴れて最低気温はマイナス6.9度。タカも小鳥も少ないけれど、北国から渡ってきたのだなあという鳥たちの登場は、この時期の楽しみ。コチョウゲンボウはあっという間に頭上を過ぎていったが、キレンジャク、オオマシコ、ハギマシコは近くに降りてくれた。気温は昼過ぎでも2度台、15時を過ぎると氷点下。19時頃にはマイナス5度ほどまで下がり、きれいな星空からツグミの声が聞こえてきた。(佐伯)
11/10
最低気温はマイナス3度。朝のうちは冷たい風に小雪の混ざる冬の空。9時頃から急に晴れて、積もった雪はあっという間に消えてしまう。おかげで、調査地の片付けがどんどを進む。見かけたタカはクマタカのみ。まだまだ渡りが終わる季節ではないのだが。午後は再び雲が広がり寒くなる。(くの)
11/09
最低気温はマイナス2度。秋晴れを期待していたのに、冬のような冷たい曇天。日中の気温は3度ほど。撤収作業がはかどらない。タカの動きはほとんどなし。小鳥の通過も少ないが、ヒヨドリ数羽の群れをいくつか記録する。例年は、もっと早い時期に数百羽の群れを見かけるのだが、今年は小さな群れが長い期間、通過し続けている。ヒレンジャク12羽の渡りを記録。(くの)
11/08
冷え込みは弱く、最低気温は2.5度。終日、やや雲の多い晴天。南風が吹き、撤収に向け資材を干すのにちょうどよい。移動するタカはどうにも見つからず。滞在者のハイタカ、ノスリも少なくなった。ヒレンジャク1羽を見かける。(くの)
11/07
暖かい朝だが、周辺には雨雲があり空は暗い。早朝は小鳥やツグミ類が飛んで活気があったが、タカの動きはあまりなく、10時頃から雨がぱらつく。昼前からは降ったり止んだりで、強い降りにはならないものの、霧に包まれ視界不良のため調査終了。気温が高く、雪になる恐れはないので安心して調査地の撤収作業に専念。(佐伯)
11/06
夜間の冷え込みはなく、最低気温は3度。まだ暗いうちから小鳥の声が通過していく。種数もにぎやかでホオジロ類いろいろ、近年、記録回数が減っているアオジの声がうれしい。日本海側の天気がよくなって北のタカたちが移動してくるのではという期待もあったが、ノスリもハイタカも渡る気などなさそうなものばかり目に入る。(佐伯)
11/05
昨夜は日没から氷点下となり、最低気温はマイナス4.7度。山から陽が出るとすぐにぽかぼか、気持ちのよい天気だがタカはなかなか見つからない。ようやく見つけた中の1羽は、北側をひたすら東へと遠ざかっていったハイタカ。滞在個体もいるので、すとんと急降下などしないか長く見続ける必要があり、こういう動きのハイタカを検出するのは容易ではない。(佐伯)
11/04
昨日は、暗くなった頃から小雪がちらつき、夜の間、断続的に降っていた。積雪は1cmほど。最低気温はマイナス4度。朝になっても小さな雪雲があちこちに残り、寒々しい空模様。日中も青空が優勢となる時間は短く、何度か雪粒が風に混じった。最高気温は1度を少し上回る程度。タカの動きはごくわずか。移動してゆく小鳥の群れも、いつもより小さい。(くの)^_^
11/03
雨は深夜にあがる。冷え込みはなく、最低気温は1度。朝のうちは低い雲が残ったが、日中はよく晴れる。タカの姿はなかやか見つからない。とくに午後はからっぽの空を眺める時間が長い。(くの)
11/02
早朝はまだ曇り空だったが、7時過ぎからはシトシト雨。日中も止み間なく、調査はおやすみ。(くの)
11/01
最低気温は0度ほど。昨日のような秋晴れは長く続かず、だんだん雲が増える天気。朝は小鳥の渡りを楽しむ。個体数は少ないながら、いろいろな鳥が頭上を通過してゆく。アトリ類、ホオジロ類、ツグミ類、ヒバリなど。日中は、タカたちがパラパラと渡ってゆく。1羽1羽をじっくり見られる距離とペース。11月らしく、ハイタカの姿が目立つようになってきた。(くの)
10/31
しっかり冷え込んで、最低気温はマイナス4.5度。1日を通して雲のない青空。タカはポツリポツリながら近くを飛ぶものが多く、まずまずの渡り。(くの)
10/30
最低気温はマイナス3.5度。朝のうちは雲が多かったが、日中は快晴。見つかるタカは、クマタカや滞在組のハイタカ、ハヤブサばかり。渡るタカはごくわずか。小鳥ではイスカが目立つ。10羽から20羽前後の群れが多く、今日、記録した最大の群れは60羽ほど。北東に向かうものと、南西に向かうものがある。午後は気温がぐんぐん下がり、終了時は2度。(くの)
10/29
夜半に小雨が降り、朝まで曇天。おかげで冷え込みは弱く、最低気温は2.5度。7時過ぎには青空が広がり、日中はほとんど雲が浮かばない。高く飛ぶタカが青空に溶け込んでしまうのは毎度のことだが、今日はことさらひどい。真上にいるはずなのに、肉眼はもちろん、双眼鏡でも見つからないタカが続出。太陽に近い空なら逆光線でタカのシルエットが浮かび上がるので、眩しさを我慢して南側の空を見上げてカウントする。昼前後の2時間は、その他の空域でのタカの動きがほとんどわからなかったが、100羽ほどを記録した。13時からは東側の遠くを断続的にタカたちが通過。こちらのコースも双眼鏡では見つからないほどの小さな粒。薄暗くなった17時近くまでタカが現れ、今日、最大の鷹柱は16時半頃のもの。終了時の気温は4度。凍えながらの調査だった。(くの)
10/28
最低気温は0度。明るい曇天に小さな青空が顔を出す。雲を背景にして、今日は高く飛ぶタカも見つけやすい。昼前までは調子よくタカを数え続けたが、午後はどこを探してもタカが見つからない。記録したハイタカのうち、2羽は北東ないし東北東へと移動していった。渡らないハイタカも周辺にかなりの数が滞在しているらしく、高く低く、頻繁に現れる。今年は調査地の小鳥たちがツミやハイタカに何度も狙われており、穏やかな気分ではいられない。(くの)
10/27
最低気温は1.5度。9時近くまでは霧。その後は程よく雲が浮かんだ晴天。11時過ぎから断続的にタカたちが通過してゆく。このところ、タカが見つからない時間の長い日が多かったが、今日は苦労しなくてもタカが目に入ってくる。ただし、14時以後は北側や東側、遠くを飛ぶものが多かった。チュウヒは16時前に北側の遠方で発見。他のタカとは逆方向の、東北東へと移動していった。(くの)
10/26
最低気温はマイナス1度。日中、雲がほとんど浮かばない青空。目のピント調整がうまくいかず、タカを見つけるのが難しい。ようやく発見したタカは単独で飛ぶツミ。ツミは大抵、一羽が見つかればその近くに別個体が飛んでいるのに、今日はなぜか、みんな単独だ。おかげで苦労した割にカウント数は少ない。木々の葉は、カラマツもミズナラもシラカバも鮮やかな黄色。眺めるには美しいが、目が疲れる。(くの)
10/25
最低気温はマイナス2.4度。朝のうちは雲が厚く、小雪がちらつく。日中は晴れるが北風がやや強く吹き、木の葉が空いっぱいに舞い上がる。タカはなかなか見つからない上、近くを飛ぶものは少なかった。イスカやアトリの群れは、北東方向へと移動するものが目立つ。(くの)
10/24
最低気温は0度、再び霜と氷の朝。渡っていくイスカやニュウナイスズメの群れがうれしい。ぽつぽつ飛んでくるタカはまとまりがなく、小鳥の視線と警戒声に何度も助けられながら調査。10時頃から周辺に雪雲がかかり始め、調査地でも昼頃から雪混じりの雨が降りだす。降り始めには雪雲をかいくぐるようにして飛ぶノスリが続いた。午後は時雨模様で急速に気温が下がり、15時には2度台。松本平にはずっと日が当たっていたので、平地側を渡っていったタカも多いのかも。(佐伯)
10/23
昨日からの雨は14時近くなって止んだが、渡りらしい動きは見られず。朝の気温は9度ほど、日中は10度を超え、寒さを感じることなくのんびり過ごす。雨上がりは風が冷たく、夕方からぐんぐん気温が下がり始める。(佐伯)
10/22
未明に雨が降り、どんより曇り空。小鳥の声は少なく、小雨がぱらつく。渡り日和にはなりそうもなかったが、10時半頃からばらばらとノスリが続き、薄日がさして天気も持ち直す。11時台、背後から現れたツグミ類の群れが続々と東へ飛んでいく。ほとんどが真っ黒いシルエットなのが残念。昼過ぎにはタカの動きは途絶えてしまったが、シロハラが水浴びに来たり、マミチャジナイの群れがコシアブラの実を食べに来たりで退屈しない。急に数を増したマヒワ100羽ほどの群れが飛び回り、ダケカンバに降りてもよく見えるのは、ほとんどの葉が落ちてしまったから。(佐伯)
10/21
最低気温はマイナス1度。快晴の朝、山の端から顔を出す太陽を久しぶりに拝むが、前回、見た時よりずいぶん南にずれたところからのぼってきた。日中もよく晴れるが、タカを探す時間が長い。ノスリは幼鳥の比率が高くなってきた。いよいよ調査も終盤か?(くの)
10/20
最低気温は0度。陽射しがあっても北風が冷たく、日中も凍えながらの調査。印象としては、天気がよいのに、タカがどこにも見つからない時間が長い。オオタカ、ハイタカの姿が目立ち、季節は一歩前進。イヌワシのペアが頻繁に現れ、移動中のノスリを襲撃するシーンも目撃。二羽で交互に襲いかかるが、ノスリはヒラヒラと身を翻して、執拗にな攻撃からどうにか逃れた。タカたちの旅も安全ではない。(くの)
10/19
最低気温は1度。一日中、暗い雲に覆われ、昼間の気温は7度ほど。風が吹くと辛い。早朝はメジロの群れがいくつか上空を通過していったが、その後は渡りの気配なし。時折、薮の中からカヤクグリの声が聞こえてくる。この寒々しい景色によく馴染む声だ。(くの)
10/18
最低気温はマイナス0.4度。初氷と初霜を記録。北側に見える山並みの、標高2000mより上は積雪で真っ白。朝夕はよく晴れたが、昼前後は雲に覆われる。ほとんどの時間帯、気温は10度にとどかず、晩秋の空気感。タカの大きな群れは現れない。単独や5羽程度の小群がぽつぽつと通過してゆく。上昇気流が弱いらしく、日中も谷沿いを低く飛ぶものが多かった。(くの)
10/17
冷たい雨が終日、降り続き、調査は休み。(くの)
10/16
最低気温は2度。朝の霧は8時まで残る。その間、ツグミ、マミチャジナイ、ニュウナイスズメなどの群れを楽しむ。視界が良くなるとタカの通過が始まり、昼過ぎまではポツリポツリのペース。13時頃、北側遠く、縦に大きく伸びたノスリの鷹柱が現れ、短時間のうちに100羽ほどを数える。その後は、あちこちのコースを小群で移動するノスリをほとんど絶え間なくカウント。頭上を低く飛ぶものも多く、見応え充分な渡り。(くの)
10/15
最低気温は6度。朝夕は霧。視界が開け、調査らしい活動ができたのは、10時半から13時半までの3時間ほど。パラパラと通過するタカを数える。晴れた時間帯も気温は10度ほど。北風が冷たく陽射しがあっても肌寒い。(くの)
10/14
最低気温は7.5度。この時期としてはまだ暖かいが、季節はどんどん進んでいる。ツグミとカシラダカを初認。アトリ、マヒワの声も賑やか。木々の葉の色は朝と夕方で明らかに違う。調査地のシンボル的な存在のダケカンバの大木はもう黄葉のピークを過ぎ、褐色の葉が目立ち始めている。今日もタカの動きはまずまず。13時前後にはノスリの流れをせっせと数える。(くの)
10/13
今日も冷え込みはなく、最低気温は9度。低い雲がなかなか消えず、朝夕は視界が悪い。日中も、あちこちの山肌に雲が残っていた。タカの通過はポツリポツリのペースが長く続く。ツミは単独から10羽ほどの群れで移動してゆく。旋回を繰り返すとあっと言う間に上昇し、青空の中を消えそうに流れてゆく。不意に頭上に現れてビュンビュンと飛び去ることもしばしば。遠くのノスリを見ていると、その近くを飛ぶツミが目に入るこども多い。捉えられないツミも、いっぱい通過していたに違いない。(くの)
10/12
朝の冷え込みは弱く、最低気温は9度。日中は汗ばむ陽気となる。9時前からの1時間ほどは頭上をツミの小群が次々と通過。30羽ほどを数える。10時以後はノスリの時間帯。近くを飛ぶものは、3羽から6羽ほどの集団が多かったが、北側遠くを西よりに進むコースでは、20羽ほどのまとまった群れがいくつか見られた。16時近くまで、退屈することなくタカを数え続ける。北側と東側の、かなり遠いものが多かったので、たくさん見たという実感はないのだが、集計結果はなかなかのもの。(くの)
10/11
朝は低い雲に覆われ視界が悪い。台風一過の秋空を期待していたので、ちょっとがっかり。それでもゆっくりと雲は消えゆき、日中は陽射しに暑さを覚える陽気。青空が増えてくるとタカたちもぽつぽつと飛来。いろいろなタカが順々に現れ、のんびり楽しく過ごす。ところが13時20分頃、正面の山陰からザワザワとタカたちが湧き上がってくる。見ればノスリまたノスリ。その中にサシバやハチクマが混ざる形で、これまで見たことのない種構成。高く低く、右に左にと飛行コースを少しずつ変えながら、15時頃までノスリの流れが途絶えない。頭上をたくさんのタカがサラサラと通過していた頃、東側の遠方にもタカの流れができていて、こちらもなかなかの光景だった。(くの)
10/10
昼前までは雨が降り続く。その後も低い雲が残り視界は悪い。渡り鳥の動きはほとんど見られないが、獲物を狙うノスリやハヤブサが、不意に雲間から姿を現し、小鳥たちの警戒声が響く。(くの)
10/09
午前中は止み間があったが、午後は本降りの雨が続く。終日、視界不良。調査は休み。久々に森の中を散歩。少ないながらおいしいキノコを収穫する。(くの)
10/08
終日、雨と霧で調査なし。最低気温5度、最高気温7度で寒い。屋根の下で過ごしていると、カラたちに混じってアトリが1羽、近づいてきた。ヒマワリの種を投げてやると駆け寄ったが、期待していたものと違ったらしく、去っていった。と思っていたら、その後、3羽で小鳥用の粒餌をついばんでいた。あれこれ並べてやるとヒマワリもモグモグと口の中で割って食べる。アトリたちは夕方まで調査地に滞在。安心できる場所と思ってもらえたのなら光栄です。(佐伯)
10/07
朝は霧。下から視界が開けてくると、低い雲の中からノスリやツミがちらほら。すっきり晴れることはなく、昼前に青空が出て日差しの温もりを感じたが、上着を脱いでいられたのはほんのいっとき。午後は雲が厚くなる中、ぽつぽつと飛んでくるタカを探す。アトリの群れが大きくなり、数十羽から150羽前後のかたまりがたびたび近くを飛び回る。(佐伯)
10/06
最低気温は2.5度。朝のうちは雲が多く、北風も吹いて寒々しい。昼頃からはさわやかな秋晴れとなるが青空は短時間。夕方前にはまた曇ってしまう。調査終了時の気温は8度ほど。冬着でもちょっと辛い。ほとんどのタカは午後にカウント。単独や小群の通過が断続的に見られた。ハチクマはすべて幼鳥。サシバは半数ほどが成鳥。(くの)
10/05
午前中は小雨がふったりやんだり。昼過ぎから空が明るくなり、15時から晴れ。朝の冷え込みはなかったが、だんだん風が冷たくなる。渡り鳥の動きは少ない。眠気ざましも兼ねて、調査地内で栗を拾う。粒は小さいが味はまずまず。(くの)
10/04
終日、厚い雲に覆われ、何度か短時間の小雨に降られる。タカも小鳥も動きは少ない。アトリは9月29日の初認以後、毎日、記録されており、群れの規模は順調に大きくなっている。今日は30羽ほどの群れを見かけた。いっぽう、マヒワの記録は9月20日の初認日のみ。(くの)
10/03
夕方近くになって青空が見えてくるが日中は曇り空。雨の気配はないものの、かなり暗い時間帯もあった。タカも小鳥も空を飛ぶものはごくわずか。調査地内のヤマウルシの紅葉は鮮やかさを増してきたが、木々の葉っぱの色づきは全体的に遅れ気味。(くの)
10/02
最低気温は4度。朝からよく晴れて日中は暑さを感じる。気温の高低差は15度ほど。調査地は14時半頃から急に寒くなるので、夏の服装から冬の服装へと素早く衣替えする必要がある。タカの動きはポツリポツリ。遠くを丹念にスコープで探しても見つかるタカはごく少数。ひと山越えた感あり。(くの)
10/01
明け方から7時頃まで雨。早朝は霧がかかり、その後も低い雲がなかなか消えない。ようやく晴れてくるとタカがばらばらと現れるが、長くは続かず。午後は青空が広がり、遠くまできれいに見えるようになったが、見つけたタカはみな高い。これは近くに来るかなと思って見ていても、何度か旋回しただけで、いとも簡単に高く上がってしまう。見落としも多そうだが、昨日までの空が嘘のように静かな日。(佐伯)
09/30
今日も長時間、タカを見続ける。現れるのは、なぜかノスリまたノスリ。15時20分頃には北東側やや遠くにノスリ主体の約60羽の鷹柱も立ち上がる。まるで10月後半の光景だ。ハチクマは幼鳥が目立つようになり、成鳥との比率は半々くらい。サシバの群れは大きなものでも15羽程度。早くも主役が交代したようだ。(くの)
09/29
霧に包まれた早朝、アトリの小群を何度か見かける。例年よりも早い初認。8時過ぎまでは視界不良。その後は、遠く、近く、タカを見続ける。13時前から16時半頃にかけて、100羽程度のサシバ集団が断続的に通過。飛行コースは頭上、北側、東側とさまざま。スコープを使わないと見つけられない距離を飛ぶものも少なくなかった。ノスリは単独個体や数羽の小群が次々と現れ、集計してみれば9月とは思えない数字に。昨日、今日と朝夕はかなり涼しくなってきたが、それでも最低気温は平年並み。ノスリの移動はまだまだ序盤のはず。今後の展開が楽しみだ。(くの)
09/28
早朝は快晴の空に眼下の谷には雲海。午前中、谷を埋めていた雲が上昇して視界が悪くなる時間帯もあったが、日中は気持ちの良い秋晴れとなる。13時過ぎまでは低調な渡り。単独で移動するタカが多く、頑張って探さないと何も見つからない。ところが、ハチクマの通過が連続しはじめて間もなく、サシバの高密度の集団が正面に現れ、頭上をサラサラと流れてゆく。そんな見事な光景の真っ最中、北東側の遠方にも立派な鷹柱が立ち上がり、手分けして数える。忙しかったのは13時半から14時頃までの約30分。記録したサシバの8割ほどをこの間にカウントした。頭上を通過したものと東側を通過したものはほぼ同数だった。(くの)
09/27
晴天ながら低い雲がなかなか消えず、小雨がパラつく時間帯もあった。9時過ぎからハチクマたちがポツリポツリと通過してゆくが、昼頃からは東側の遠くを飛ぶタカが増え、スコープから目を外せない。カウントしたサシバの大半はこうして数えたもの。(くの)
09/26
青空が顔を出しても、その面積は小さい。タカの動きは少なく、何も見つからない時間が長い。調査地周辺の木立にはヒタキ類の姿がいつになく目立つ。我々のすぐ近くの枯れ木にも何度かとまってくれた。これは、小鳥を間近に見られるようにと設置した止まり木。今シーズンはさまざまな鳥が狙い通りに利用してくれる。調査地内のヤマブドウの実がすっかり消えていることに気づく。2日前までは、たわわにぶら下がっていたのだが。移動中のアカハラの群れが食べていったのだろうか。(くの)
09/25
終日、雨が降り続き調査なし。(くの)
09/24
シート類を畳むなど、強風への備えを万全にしていたが、幸い台風の影響はまったくなし。今日も長時間、タカを数え続ける。ノスリは順調に増加。複数個体を同時に見ることが多くなった。ハチクマの幼鳥も増え、タカたちの顔ぶれには9月末の様相が色濃くなってきた。とは言えサシバのカウント数はまだまだ不足。もうひと山あるはずだ。(くの)
09/23
台風12号の接近により、天気予報は曇り、あるいは雨。しかも一昨日、昨日と好調な渡りが続いたので、今日はのんびりできるだろうと思っていたのだが、それは大間違い。北側の空は朝からきれいに晴れており、タカたちは次々にやってくる。おまけに北風に乗ってビュンビュンと速い。少ないメンバーであたふたとカウント。アカハラダカは成鳥。頭上の見やすいはずのコースを飛んでくれたのだが、見つけてすぐに低い雲の中に消えてしまう。急いで撮った写真にも、雲に隠れる直前の白くかすんだ姿しか残っていない。(くの)
09/22
早朝は深い霧。6時9分、霧の中に見え隠れしながら低く飛ぶ5羽のサシバを記録。これが昨日、調査地北側にねぐら入りした集団の一部と思われる。今日もハチクマを数え続ける。14時20分頃、北側遠くを西に進む100羽を超える高密度の集団をカウント。これは当地では異例といえる規模で、2005年9月26日、1293羽を記録した日を思い起こすものだった。その日、通過したハチクマはいつもより成鳥の比率が高かったので、今日の大集団も年齢構成を明らかにしたかったのだが、遠過ぎて記録を取れなかった。ほとんどのサシバは14時以後にカウント。15時から16時半にまとまった集団が断続的に通過した。(くの)
09/21
朝のうちは雲が多かったが、日中、よく晴れる。9時前から16時過ぎまで、ほとんど絶え間なく、つらつらと通過してゆくハチクマを数え続ける。時折、やや高密度な集団がやってきて慌ただしくなる場面もあったが、ほとんどの時間帯は一羽一羽をしっかり見る余裕があり、満足感いっぱいの一日。サシバの通過もほぼ終日見られたが集団の規模は最大でも60羽ほど。17時15分、サシバ24羽の群れが調査地北側の尾根付近にバラバラと降りてしまう。これは10分以上前にかなり遠くで発見し、ずっと動きを追っていた集団。あちこちで旋回を繰り返してもちっとも上昇できないまま、頑張って移動してくる様子を見ていたので、なんだかほっとする光景だった。(くの)
09/20
早朝は深い霧。気温は10度ほど。日中は青空も顔を出すが雲の多い空模様。それでも予報されていた天気よりはずっと良い。こりゃ忙しくなるぞ、と緊張しながらタカを探すが、今日も低調なままに終わる。昼間でも上昇気流が弱かったようで、低く飛ぶタカが目立った。いつもならどんどん高度を稼ぐ空域で旋回を繰り返してもほとんど上昇できず、結局、尾根の裏側へと流れてしまう場面もしばしば。谷底を通過してしまい、見落としたものもあっただろう。14時頃から北東側の遠くに20羽程度のタカ柱をいくつか見たが、こちらでも飛翔高度は通常より低かった。マヒワを初認。久々に聞く声もひんやりと空気の中で違和感を感じない。(くの)
09/19
朝夕は雲が多かったものの、日中は青空が広がる。タカの通過は10時過ぎからポツリポツリのペース。終了近くまで退屈することなく、忙しすぎることなく数え続ける。雲が消えた時間帯は高空を散らばって飛ぶタカを見つけるのに苦戦。午後は東側の遠方を通過するものも少なくない。まとまった集団が現れなかったため、この時期、この天気としては集計結果は小さな数字に終わる。(くの)
09/18
昨夜からの雨は朝になると強まり、霧で視界不良。時々、雨が止むと景色が現れるが、すぐまた本降りに。視界が開けている間だけ、雨宿りしつつ外の様子に気を配ることにしたけれど、渡りらしいタカを見たのは7時前に谷を移動していったハチクマのみ。気温は朝も昼も17度ほどで、雨に冷たさはない。(佐伯)
09/17
夜明け前から霧雨。霧に包まれ、このまま雨の一日かと思ったが、まもなく天気は回復。まだ霧がかかっているうちからハチクマが近くを通過し、その後も低い雲が残る中、ぽつぽつとハチクマが飛んでくる。単独、あるいは数羽程度での通過が続き、昼頃からはペースが上がったものの大忙しというほどではなく、ほぼ全部の個体について、成幼、雌雄、そのうの膨らみ具合など記録することができ、気分よく調査。10時頃から南東側に雨が降っているのが見え、空模様は不穏。15時頃には調査地でも一時雨。ちょうどサシバの集団が来るようになったところだったのだが、以降はほとんど動きがなくなってしまう。北東側の尾根にはハチクマが2羽とまったまま、本日の移動はここまで、という感じ。(佐伯)
09/16
朝から雲が多いものの、青空も見える明るい曇り。このところ、朝夕は冷えるので服を着込み、日差しが暑くて脱ぐ、という毎日だったが、薄着にならなくても暑さを感じることなく過ごす。天気は悪くないが、タカが飛んでこない。昨日たくさん飛んでいたハリオアマツバメの群れも見当たらず、静かな空。午後、すぐ近くの藪で常連のコガラが「へびがいる!」と騒ぐので確認するとマムシだった。マムシの目撃は今シーズン3度目。実は、ここで最も記録回数の多いへびである。(佐伯)
09/15
朝の気温は11度ほど。昼間の暑さも和らぎ、風が心地よい。我々には秋らしい天気だが、タカの動きはまだ本格化していないようだ。昨日までは、ちらほらとしか見かけなかったハリオアマツバメ。今日は終日、視界のどこかを飛び交っていて、何度か、すぐ近くにも来てくれた。(くの)
09/14
雨の心配不要な晴天。朝は12度ほどまで気温が下がり肌寒い。8時過ぎからハチクマたちが点々と通過してゆく。そろそろサシバの群れが来るはず、と丹念に探し続けたが、盛り上がることなく終了。明日こそは忙しくなるはず。(くの)
09/13
夜中から雨が降り続き、10時前後はひどい雷雨となる。13時過ぎに雨はあがり青空も顔を出すが、山肌には低い雲がかかったまま。渡り鳥の気配はない。(くの)
09/12
台風10号の通過以来、昨日までは南風が吹いていたが、北寄りの風に変わる。青空は北側中心。前線に近い南側は暗い雲に覆われる。午後はあちこちに小さな雨雲が発生し、14時過ぎには当地でも短時間の雨が降る。タカの通過は、ポツリポツリのペースが続き、単独で移動するものが目立った。最大の集団は11時半にまとまって通過した16羽のサシバ。(くの)
09/11
午前中は雲の多い晴天。高い雲、低い雲、白、灰色、いろいろな形の雲が浮かんで、不安を感じさせる空。午後は今日もにわか雨。雨域は小さいながら降りかたはいつになく激しかったようだ。調査地周辺はひどい雨にならずにすんだが、遠くには雨が柱状に白く烟る様子を何度も見る。昼頃、近くの枯れ木に2羽のブッポウソウが仲よさそうにとまるのをしばらく観察。一緒に旅をしているのだろう。タカの通過は主に午前中。単独で移動するものが多かった。(くの)
09/10
終日、雨が降ったり止んだりを繰り返す。土砂降りの時間もあって何もかもが湿っぽい。(くの)
09/09
朝のうちはきれいな青空。空気はひんやりとしていて、この時期らしい清々しさ。日中はだんだん雲が増えるが、まずまずの天気。ところが16時過ぎにはまたもにわか雨。サシバの通過は8時すぎから調査終了間際まで断続的に続く。とくに忙しい時間帯もなく、ほどよい距離を飛んでくれるものが多い。渡らないタカもあれこれ現れて、集計結果以上の満足度。(くの)
09/08
朝夕は雨。日中は曇りの時間が長いが不安定な天気。日が差して暑くなったり、小雨がぱらついたり。タラノキの実が熟してメジロたちがどんどん食べ進む。それぞれの房についている実の数は少ないが、味は良いようだ。(くの)
09/07
終日、雨が降ったりやんだりを繰り返す。南からのやや強い風に不安を感じ、シート類をたたんで突風に備える。(くの)
09/06
朝夕は雨が降る。日中は雲が多いがまずまずの天気。渡るタカは少ないが、渡りそうにないハチクマは頻繁に現れる。今日も15回以上、記録しているが、どれもこれもが別個体。これが何日も続いているので、かなりの個体数が滞在、あるいは、ごく短い距離の移動をしていると思われる。(くの)
09/05
日中は雲の少ない晴天。日差しは強いが、そよ風が吹けば心地よい。サシバの小群が断続的に通過。最大の群れは7羽。単独で渡るものも少なくなかった。相変わらず滞在ハチクマが目立つ。夕方近くに東から暗雲が迫ってきたが、結局、降雨はごくわずか。(くの)
09/04
明け方まで雨。7時前には青空が出て、思いのほかいい天気になる。タカをちらほら見るうちに、10時過ぎからは降ったりやんだり、昼頃は一時、土砂降り。その後タカの気配はなく、常連のカラたちを数えて過ごす。(佐伯)
09/03
雨が降ったりやんだりの不安定な天気。日向でも暑くはなく、日が陰って風が吹くと涼しさを通り越し、肌寒さを感じる。今日も滞在組のハチクマをしばしば観察する。(くの)
09/02
雲が多く浮かび、小雨がぱらつく時間帯もあったが、まずまずの晴天。サシバは小群を3回、記録。そのほか、渡りそうにないハチクマ、ノスリをしばしば見かける。忙しくならないうちにと「庭木」の剪定作業を進める。竿の先に取り付けヒモを引いて操作するハサミが活躍。市販の高枝切りバサミでは届かなかった枝がどんどん片付く。(くの)
09/01
低い雲が多く、平地は厚い雲に覆われている様子。北東方向の山々にも雲がかかり続けたせいか、サシバは飛んでこない。実は8月29日にサシバ80羽をカウントしていて、8月後半の様子をもっとしっかり見るべきだったと悔やんだばかり。この日はノスリも5羽を記録、猛暑が続いていても渡るタカの出足は早いらしい。29日にほとんど見かけなかったハチクマが今日はたびたび現れ、声も何度か聞いた。7月の豪雨の影響で通行止めが続いていたスーパー林道は、本日より乗鞍高原から白樺峠まで開通。奈川側は林道崩落のため、今年は通行止めとのことなのでご注意を。(佐伯)


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