酒船石





酒船石(さかふねいし)は板葺宮の東方の丘陵にあり、周辺の遺構とあわせ酒船石遺跡と呼ばれる。
長さ約5.5m、幅約2.3m、厚さ約1mの大きさで、上面に皿状のいくつかのくぼみとそれを結ぶ溝が刻まれている。 説明版には、酒や油を搾る道具とか薬の調合などと書かれているが信じがたい。
1992年に酒船石に登る道をつくるための事前調査で、日本書紀の斉明天皇の時代に記述される (狂心渠(たわぶれこころのみぞ)工事に該当する遺跡とされる石垣が発見された。 また、2000年の万葉ミュージアム建設の事前調査で階段状の石積み遺構が出土した。 その調査中に崩落が生じてその底から亀型石造物が発見された。
これらの発見でこの酒船石遺跡の実体が判明してきた。
斉明天皇が五穀豊穣を祈願した祭祀場が酒船石で、祭祀を行う前の禊(みそぎ)をする場が亀型石造物だったと考えられる。 斉明期に最初に造られその後平安時代まで約250年間使用された形跡があった。
2009年6月7日



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